吉田知那美のコラム 番外編

Yoshida Chinami Column

【番外編】シーズン終了のご報告

ネッツトヨタ北見のHPをご覧の皆さんこんにちは。吉田知那美です。
今回は番外編としてシーズン終了のご報告です。
昨年8月から始まり、今月5月まで約10カ月間にも及ぶシーズンが終了しました。全14大会、90試合、60勝―30敗。どの試合も全員で全力で挑み、全力で勝負し、全力で楽しむことができました。時に失敗して落ちこみ、悔しくて涙が止まらないこともありましたが、それらすべての経験を通して「また成長できた」と思える充実した素晴らしいシーズンでした。

10カ月はパフォーマンスする私たちにとっても長いシーズンでしたが、いつも応援してくださる皆さんにとっても長かったと思います。どの瞬間も一緒に笑い、喜び、悔しみ、楽しんでくれてありがとうございます。最近、応援してくださるカーリングファンの皆さんのことで、よく感じることがあります。数年前まで、勝つと一緒に喜んでくれることはもちろんでしたが、試合に負けたり、大会で優勝しなかったりすると「◯◯選手が絶不調だったから負けた!」「こんなチームに勝てないなんて!」というコメントやメッセージもちらほらとあったことを記憶しているのですが、最近はめっきり目にしなくなりました。それどころか、「この試合のこんなところが面白かった〜!」「この作戦面白かった!」など、勝敗だけではなく試合の完成度やパフォーマンスに焦点を当てて試合を見ている方が増えたなぁと感じています。

誤解のないようにお伝えしたいのですが、試合の見方は本当に自由です!星をつけながらどのチームが勝つのかを予想しながら観るのも楽しいですし、戦略に注目して観るのも、推し選手、推しチームの頑張りをただただ応援するも、会話に注目して観ても楽しい。100人いれば100通りの楽しみ方があると思います。そんな中、最近は「マインドカーラー」な「観るファン」の方々が増えたなぁと感じています。カーリング選手ではないけれど、カーリング精神を学び持つ「観るファン」の皆さんによって「観るカーリング界」も日本のカーリングと一緒に発展していっていると感じています。
私たちは勝敗にこだわりながら自分たちの理想のカーリングを求めて実験したり、お披露目したりを繰り返しているので勝ちに大喜びする日もあれば、勝っても喜べない日もあります。負けて泣いた日もあれば、負けても満足げな日もあります。どの瞬間もまるでチームの一員のように一緒に楽しんでくれるファンの皆さんに感謝しています。 カーリングに無敗はありません。カーリングに限らずかと思いますが、世界一のチームだって負けます。(ご存知世界ランク1位のエイナーソンは今シーズン25敗。)勝ちから得るものも多くありますが、負けからしか学べないこと、得られないことはたくさんあります。ロコも負けることが少なくなってきているからこそ、これからも「負ける」という貴重な経験を大切にしていきたいと思います。
world curling federation
ところで、ロコの今シーズン最後の90試合目は負けで終わりました。しかも相手は世界ランキング1位、今シーズン最も対戦したチームエイナーソン!しかも完敗!しかも12―0で1点も取れず!(びっくり!)カーリングで0点なんて記憶が正しければ中学生ぶりです。(まるで映画シムソンズです。) でもグランドスラムの舞台で、ここまで威勢の良い負けっぷりも珍しく、試合終了後には現地カナダの満員のカーリングファンから大爆笑と大拍手をいただきました。負けてこんなに温かい拍手をもらったのは2016年の世界選手権ぶりかもしれません。 でも、負けても「楽しかったよ〜!」と喜んでもらえたあの瞬間に「そうだ、わたしはこんなチームになりたかったんだ。」と再確認しました。勝っても負けても清々しく、誠実に、相手へのリスペクトを忘れず、来シーズンも全力で楽しいカーリングをしたいと思います。 今シーズンも最後まで温かな応援をありがとうございました! 追記 最後に、今シーズンも支えてくれた夫、二つの家族、友達、麻里ちゃんへ。 会えなくても、一緒にいなくても、遠くても、いつも本当にありがとう。 吉田知那美
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